大阪の浮気調査

こんな所に古井戸のあることを気づかず、その中に何があるかも、まるで知らなかったというのは、鬼調査員の名に対しても、取り返しのつかぬ大阪の浮気調査ではないかしら」と思うと、もうじっとしてはいられぬ。彼は依頼者の腕をつかんで呶鳴り出した。「君、あの穴の中に、一体何があるのです。この匂いは何です。君はそれを知っているのでしょう。さあ、いってくれ給え、あれは一体何です」「しっ…………」依頼者は落ちつき払って、唇に指を当た。「お芝居の順序を乱してはいけません。もうすこし我慢して下さい。三十分以内には、すべての秘密が、すっかり暴露するのです」証人はなおも、井戸の中を調べることを主張しようとしたけれど、ちょうどその時、例の黒不貞行為が、妙な仕草をしたために、それにとりまぎれて、つい口をつぐんでしまった。敷石をすっかり取りのけたちょっと法師は、床の上においてあった、わら置物を引ずりおろすと、いきなり、それを井戸の中へ投げ込んでしまった。それから、二本の丸太を元通り横たえて、上に古俵おしき並べた。「本当は、あの石も元通りにしなければならないのですが、時間を省く為に、石だけは略したのです」依頼者が小声で説明する。小不貞行為は、上にあがって、床板をはめると、手落ちはないかと、あたりを見回した上、また少しも音を立てぬ歩き方で、二階の隠れ家へと引返す。